短志緒


共通の友達のこと、学校のこと。

話題は尽きなかった。

学ランのままベッドに背を預けてジンジャーエールを飲む健吾。

なんか、大きい。

改めて見ると、もうあの頃の可愛い弟分ではないのだと思い知らされた気がした。

「なに?」

健吾が私の視線に気付く。

途端に恥ずかしくなって目をそらす。

「なんか、健吾が高校生に見えて」

「高校生だっつーの」

「チビだったじゃん」

「昔はね。今は梨香よりでかいだろ」

「なんか、癪にさわる」

「はぁ?」

ほんと、癪にさわる。

健吾が男だと思うと、イライラする。

ううん、違うかな。

ドキドキする。

ムカつくけど、ちょっとカッコイイ。

目が丸くて顔は女の子みたいだけれど、下を向いている時の伏し目はクールだし、不機嫌なときの眉の釣り具合は最高のバランスだ。

美男子だなぁ。

そりゃあモテるだろう。