短志緒


私たちは互いの恋人の愚痴を言い合いながら

「こんな時期に別れちゃったりして」

などと冗談半分に漏らした。

その時は笑って盛り上がったけれど、笑えない事態になった。

終業式、そしてクリスマスイブの日。

「俺、別れた」

「偶然ね。あたしもよ」

二人とも見事に現実にしてしまった。

私たちはそれを互いにバカにして笑った。

「お互い暇だし、二人でクリスマスやるか」

「そうね。コンビニでケーキ買って帰ろう」

「チキンもな」

私たちの共通の友達は彼氏と一緒だし、これから誰か誘うのも面倒だ。

健吾とクリスマスなんて小学生以来だけど(当時は共通の友達数人とパーティーしたっけ)、寂しい者同士で地味に盛り上がろうじゃないか。

私たちはコンビニでケーキとチキンと飲み物を買い込み、健吾の自宅にお邪魔した。