「なー、子供何人くらいほしい?」

「気ぃ早いわ」

「俺さー、兄弟いないからたくさんほしいなー」

「あたしは三人くらいでいい」

駐車場への帰り道、あたしたちは手を繋いで夢を語りながらゆっくり歩いた。

これから訪れる毎日に思いを馳せると心が温まる。

男の子が生まれたら不良にならないようにちゃんと厳しく育てようとか、

女の子が生まれたら水商売をやらなくてもいいようにちゃんと稼がなきゃとか、

まだ生まれてもいない子供に過去の自分達を重ねて家族計画を立てたりして。

「サキ、覚えてる?」

「何を?」

「昔俺、 お前みたいなんと誰が結婚するかボケ! って言われたんだよ」

言ったような、言ってないような。

でもレイヤがそう言うんだから言ったんだろう。