短志緒


まだかまだか。

言うなら早く言ってくれ。

という気持ちと

いやだいやだ。

別れるなんて言わないで。

という気持ちが渦巻く。

マイナスイオンをたくさん吸い込んだところでなかなか消えてはくれない。

胸が重い。

苦しい。

レイヤは隣で滝を見つめて、何か決心をするようにぎゅっと拳を握っている。

ものすごく、もどかしい。

堪えられなくなったあたしは、

手すりをぎゅっと握って言った。

「レイヤ、何か言いたいことがあるんやろ。言うたらええやんか」

レイヤのタイミングもあるだろうに、

促してどうするよ。

そんなんだから、レイヤがよそにいってしまうんだ。