短志緒


俺たちは恋人としての付き合いこそまだ短いけれど、中学時代に培った絆がある。

真奈美がバカでお人好しで騙されやすい性格だと昔から知っていたし、そういうところを含めてあいつを再び好きになった。

真奈美は俺の優柔不断で短気でワガママな性格をずっと前から認識しており、それを承知で俺を好きだと言ったはずだ。

互いに繕わず、自然な感じでいられる。

だから、うまくやっていけると思っていた。

だがしかし。

俺たちには12年のブランクもある。

それに、友人として楽しくやっていたからって、恋人としての相性が良いとは限らない。

本来真奈美の好きなタイプは、兄の秀士のように愛想が良く、カリスマ性を備えたリーダー気質のある男だ。

失恋で傷心中という絶妙なタイミングで俺と身体を重ねたから、情が湧いてその時は燃えたけれど、いざ付き合ってみると……。

彼女こそ、”何か違う“と思っている可能性を、否定できない。

だとしたらもう、どうしろと。