ウソ……なくなってる……。



捨てるときにポーチの中に突っ込んだはずの、



朝野くんからの手紙が……



ポーチの中からなくなってる。




伊織……



あの手紙……見たんだ……。













あたしは絶望感と共に、



伊織への言い訳を必死で考える。




だけど……言い訳してどうするの?




実際あたしだって……




迷ってる。




もし……このまま伊織が身を引いてくれたら……




なんて、




すごく都合のいいことを考えている自分が、



片隅にいるのを感じて、自分で自分が怖くなった。




『彩花にナメられてる』



って言ってた、伊織の言葉……帰り際の自嘲気味の顔を思いだすだけで、



胸がえぐられるような思いがしていた……。