彩花と会ったって、アイツの決断が覆ることがないことは……



薄々感じてる。



だってさ、アイツ天然なんだぜ?



きっと、「松本さんの方が大変なの」とか、



そんな理由で俺との約束をなかったことにしようとするはず。



アイツは……



いつだって俺以外のヤツ優先でさ。



幼なじみっていう枠組みが、きっとどんどん俺のポジションを悪くしてるんだと思う。



伊織なら、最初は怒ってても、結局は許してくれる。



伊織なら、後回しにしても大丈夫。



伊織なら、きっとまた、気付けばあたしの側にいる……。



伊織なら…………。









もう……考えれば考えるほど、そう思えてきて仕方がない。



人を傷つけて、アイツはなんとも思ってねーんだよな……。



いや、思ってるかもだけど、



俺への配慮は数千分の一で、あとは全て松本を心配する気持ちでいっぱいで。



俺がどれだけ日曜日を楽しみにしてたか……



知りもしないでさ……。