「彩花にちょっと話したいことが…」


「なら、明日でいーだろ?」


「明日の土曜は用事があって、会えねーから…」


「なんのためにケータイがある?わしらの時代はな、ケータイなんてなくて、言いたいことがあれば会うまで言えずに…」


あー、ハイハイ。昔話はもーいーです…。


「出直してきまっす!!」









おじさんの話、なげぇんだよな…。


このままじゃ彩花に会えないどころか、長話に付き合わされそうだから、俺はすぐにその場を去った。


自分の部屋に戻り、仕方なく電話ですますことにした。


しかもアイツ、こんな大切なことをメールですますなんて、そこがまた俺の神経を逆撫でする。


天然彩花、ムカつくぜ!


それか、こないだ寝てるときに電話かかってきて、寝起きで俺の機嫌が悪かったのをまだ気にしてるとか?


いやいや、アイツはそんなにデリケートなヤツじゃない。


俺が彩花のことで病むことがあっても、


彩花に関しては…


悲しいかな、その逆は全くもってなさそうだ。