幼なじみと付き合った場合。

「あたしね…もうしばらくしたら、ここで一人暮らしするの。

で、他の余計なことはなにも考えないで一生懸命勉強して、遠くの大学に行く……」



「そう……なの?」



「あたしのこと……誰も知らない場所に行って……新しく一からやり直したいの」



「新しく……」



「お母さんは妊娠中なのに、あたしのことをいつも心配してるから……彼氏ができて元気に頑張ってるってとこを見せてあげたいんだ。

あたしはね、お母さんが一番大切なの。だけど、家族が増えることを素直に喜べないあたしが一番嫌い……。

そんなあたしを見せたくないから、離れたいってのもあるかな……」



「そんな……大切なら、側にいたらいいのに……」



「ううん……それができないのが、あたしなの。もうホント捻くれてるから…。

それにもし、越野さんが伊織くんを説得してくれたら……あたし、もうリスカはしない」











松本さんに、真っ直ぐな目で見つめられる。



「ホントに……絶対、もうしない?」



「うん……誓うよ」