言われた部屋の扉を軽くノックする。



「松本さん……あたし、越野だけど…突然来てゴメンね。ちょっとだけ、話できるかな……」



リビングに行って姿の見えなくなった松本さんのお父さんの姿を横目でチラチラと探す。



側にいないから、変なことされたりしないよね……。



もし近くに来たら、走って逃げ……。







「しばらく出てこないなら、コッチでお茶でも……」



「キャーーーーーーーッ!!!!!」



突然後ろに立たれて、一気に心臓が跳ねあがった。



しかも大きな声で叫んでしまい、ヘナへナとその場に崩れおちる。



……に……逃げれない。



あたし……腰が抜けちゃった!?