幼なじみと付き合った場合。

「そうなんですか!?ありがとうございます。趣味で書いてるものだから、あまり人に見せられた物じゃないんですけどね…」



松本さんのお母さんは恥ずかしそうな声で笑うと、あたしの首筋から背中にかけて、オイルをつけた手でゆっくりとマッサージをしてくれる。



「娘さんが…いるんですよね。お母さんがアロマのお仕事してるっていいなぁ~。毎日してもらえるし」



「ウチの娘は、私に触らせてもくれないんですよ?気持ち悪いって言って…」



「き…気持ち悪い!?えっ、こんなに気持ちいいのにですか!?」



「そうなの…私の仕事のことも、あんまり良く思ってないんじゃないかなぁ……あっ、ゴメンなさいね。娘と同じぐらいだから、つい普通にしゃべってしまって…」




「あたしは敬語じゃない方が話しやすいんで、全然いーです!こんな素敵な仕事、嫌って思ってるはずないですよ!?」



松本さんからそんな話聞いたことないし、アロマのお仕事ってなんだか優雅で憧れるけどなぁ…。







「ホントに?ありがとう…。ウチの娘はちょっと気難しくて……。すごく明るく話してくれる日もあれば、正反対の日もあって…。

突然キレたりするし……よくわからないのよね…」



松本さんがキレる……?



ウソ…そんなとこ、見たことない。



いつもニコニコしてて、余裕たっぷりってイメージなんだけどな……。