「あたしのこと…好きになれないかな。ムリ?」



「ムリだろ…俺は彩花が……」



「越野さん…昨日だって朝野くんと仲良くしてたよね?あのふたり、ホントはお互いが好きなんだよ?

そこに無理やり入っていっても、後々イヤな思いするのは伊織くんだよ?」



「彩花が朝野を好き……?あれは朝野が勝手に……」



「朝野くんといる越野さんの方が…自然だよ?」



ズキッ。



それは…俺だって薄々気づいてた。



だけど、それを自覚するわけにはいかなくて。



だってさ、認めたら……俺はどうにも動けなくなる。









彩花はなんだかフラフラしてるし、放っといたら朝野に傾きそうな気もする。



だから、俺は必死で阻止するしかなくて……。



だから朝野が、ちょっと彩花に近づくだけで過剰に反応してたってのもある。