……ん?



春の生暖かい風?




いや……この感触は……。




「……っ!!」




目を開けると、松本が俺の影に重なるように立っていて、そっと唇を離したところだった。




「て……テメー……」




あまりの怒りに、そのぐらいの言葉しか出てこない。




「あたし……やっぱり伊織くんが好き……。越野さんの彼氏だから諦めようって思ったけど……できないよ……」




「は!?島岡さんが好きっつってたよな!?ざけんじゃねーぞ?」




なんなんだよ、コイツは!!



完全にイカれてんな!