こういうときに彩花の心配をしなくていいのは、心強い。



このときばかりは、気が強い幼なじみでよかったと思うばかり。




「伊織くん……来てくれてありがとう……」




松本がいつの間にか俺の手を握ってて、慌てて俺はその手を振りはらった。




「おいおい、手ぇ握んなって……」



彩花にだってあんま触らせてねーんだからな?



高いぞ?俺の両手は。



すぐに手をポケットに突っ込み、松本の方を見る。








公園の外灯に照らされて、松本の顔がいつもよりなんだか暗く見える。




いつも笑ってることが多いから、ちょっと違和感がある。



「アイツら、なに?」



「元カレ……の友達」