「伊織、カッコばっかり気にしててるけど、ちゃんと勉強してるの?」



うぉっ、もっと耳が痛い!



「するする、するって!」



「じゃあ、今度のテスト…期待してるわ」



母ちゃんはニッコリと気味の悪い笑みを浮かべ、財布の中から万札を抜きとった。









おおっ!!



母ちゃん、やるな!



「全教科60点以上よ?」



「お~、楽勝!!」



60点なら、頑張ればなんとかなるか!?



全教科ってとこがキツいとこだけど……。



俺の成績に見合ったボーダーラインで、ホッとした。



俺は札を受け取ったあと、自分の部屋に戻った。