「じゃあ今日はとりあえず……俺から、最高のプレゼントやるよ」


伊織はフッと微笑むと、あたしの頭を抱きかかえるようにしてきた。


ち……ちょっと待って!?


「最高のプレゼントって……なに?」


「んなもん、決まってんだろ?」


怪しげに笑うのを見て、逃げたくなった。


さっきは勢いでキスされたけど、冷静になった今は……


こんな道の真ん中でされても、困るだけ。


しかも、うしろから友達の声が聞こえてきた。






主役のあたしが帰ったことで、みんなカラオケ店を出てきたみたい。


「今は……やめよう?」


「帰るまで待てねーんだよ。いいから……誰も見てない」


えーっ!!


振り向くこともさせてもらえず、強引に唇を重ねられた。






そしたら、それまで聞こえていた友達の声が、突然聞こえなくなった。