「伊織は…今のまま、変わらないの?」



「おー。俺、自分大好きだし?これ以上なに変えろって?」



……その俺様チックなところを変えた方がいいんじゃないの?



って思うんだけど、こんな伊織だからこそ…あたしも一緒にいて安心できる。



もし伊織がブレる人だったら、優柔不断なあたしはどこに行けばいいのかわからなくて、フラフラしてたはず……。



朝野くん、優しいし……歌ウマいし、話も合うし。



ホント言うと、あたしが自分で不安だったの。



朝野くんが伊織っぽくする度に、心のどこかでなんだかドキドキしてた。



……まぁ、実際、今日はカラオケでかなりドキドキさせられたわけだけど。



そんなこと絶対に、伊織には言えないね。









「なんで黙ってんだよ…俺は性格まるごと変えた方がいいって?」



「ぶっ……わかってるんだ?」



「なにーっ!」



伊織がじゃれて、あたしにギュッと抱き着いてくる。