彩花も彩花だ。



さっきから朝野とテンション高めにしゃべってるし、俺と話してるとき、あんなに楽しそうなのを見たことがない。



なんだかダルそうに見てくるときもあるし、



俺のときとは全然違うよな……。









さっき泣いてた彩花の顔とは、対照的すぎる……。



落ち込むな……。



「伊織くん、次はなに歌う?」



松本が俺の顔を覗きこんできて、ニッコリと笑う。



「んー…俺、もういーわ。聞いてるだけでいい」



「えーっ、そーなの?ノリ悪い!」



「放っとけよ。朝野に奥の手出されて、俺はなにもする術がない……」



「キャハハ、なにそれー!」