伊織は伊織で、なんだかふてくされた顔をしてお菓子をつまんでる。



なによ…ちょっとぐらい反省すれば?



そのぐらい大人しい方が、あたしも楽だし。



さっき伊織のとなりにいた女の人は、今度は上月くんと仲良さそうにしゃべっていた。



……伊織狙いじゃなかったのかな。



それなら安心だけど……。








そろそろ伊織のとなりに行こうかなって思ってると、松本さんが伊織のとなりに座った。



みんなでギュウギュウに座ってるから、松本さんは伊織の膝の上に乗りそうな勢いで近寄ってる。



…わっ、寄りかかってるし。



「ごめーん、伊織くんもっとそっち詰めて?」




「なんで俺がずれんだよ。松本が反対側に寄れよ」



伊織は嫌がってる風だけど、ガンとして動こうとしない。



だからふたりの足と体が密着してて……。