幼なじみと付き合った場合。

「……ゴメンねぇ、うちのお母さんがうるさくて」


「ううん、楽しかった」


「ホントに?」


この場面を伊織に見られたら困るし、早く帰ってもらないとね。


そう思いながら、帰る話題になるような会話の糸口を見つけようと必死で考える。


……そうだ、伊織の話題にしよう。


「今朝ね、伊織とまたケンカしちゃって……」


「……あー、噂で聞いた。赤松くんをひっぱたいたって?」


「うわぁ……なんで知ってるの!?」


「みんなが休み時間に話してた。なにがあったわけ?」


朝野くんが、心配そうに見てくる。


「……今朝のメール、見られちゃって」


「あー、だから断ってきたんだ?そりゃマズイよね」


「それだけじゃないけど……伊織……朝野くんに対して、異常なほど過敏になってるから……。

あたしも、こんな風に会うのは……伊織にも悪いって思うし……」


だからね、もう帰って欲しい……なって。