「……一生、わかり合える気がしねぇ」


「だから、さっさと別れろって」


「俺もそれに賛成!」


ふたりして、俺と彩花を別れさせよーとしてくる。


「俺たち……もーダメかも……」


「いーんじゃねーか?伊織ならすぐ女できる」


「俺もそう思うぜ。赤松なら、もっと上を狙える!」







「そこは、そんなこと言うなよ、頑張れよ!!って励まそうぜー」


「なんでだよ。気持ち悪い。俺、そんな嘘つけねぇ」


「上月……なんでお前は……」


「伊織、考えてみろよ。頑張る恋愛なんて、ダルいって。

彩花ちゃんはなー……お前との間に緊張感なさすぎ。

しばらく距離おいて、お互い一度離れてみれば?」


一度離れてみる?


なんだよ、それ。


「その間に朝野と接近したら……」


「だーかーらー。そんぐらいで朝野にいくぐらいなら、それまでだ。

15年一緒にいてもそうなんだから、今さらあがいても無駄ってことだろ」


……上月の言葉がグサリと胸に突き刺さった。