「ヤダヤダヤダ!!」



伊織に負けじと、あたしも必死で布団を引っ張る。




なんとか剥がされないですんだけど、軽くポンと、蹴られるような振動が伝わってきた。




「テメー、出てこねーとぶっ殺すぞ」



ムカッ!



「なにその言い方!」



「ムカつくんだよ……俺との約束破りやがって……」



「破っ……破ってない……」



ホントは破ったけど……こういうしか、ないし。









「だったら顔出して、俺の目ぇ見て言えよ」



……あたしの性格を、伊織はよく知ってる。



あたしすぐに顔に出るし、誤魔化すのがすっごく下手。



伊織にニラまれながら、ウソつくのは…かなりムリがある。