~彩花side~




松本さんのところへ行った伊織は、2時間後に飛んで帰ってきた。




帰ってくるなり、あたしの部屋に転がりこんできて、じゃれるようにあたしにまとわりついてくる。



「ごめんな、もうどこにも行かないから…」




「んんっ……あたし、そろそろお風呂入りたいんだけど」




「マジ!?じゃ、俺も……」



――バシッ!!



「痛ぇっ!!」



間髪入れず伊織の頭を叩くと、笑って自分の頭を押さえてる。




いつもなら逆切れしてきそうな場面なのに、伊織はなんだかヘラヘラと……。




「どうしたの……?」



あたしが怪訝そうに見つめてると、伊織はキョトンとしてる。




「へ?なにが?」