「え……どういうこと?全然話が見えない……」



「松本の家に行ったのも、この件で。だけど言っていいかわかんなかったから、さっきは黙ってたけどさ。

……でももう彩花に隠し事すんの嫌だし……」



伊織が説明している間に、電話は切れた。



「もしかして…さっきも、松本さん?どうして伊織に彼氏のフリなんて頼むの?」



「さっきもそう。今日来てくれって言われて…ムリって答えたんだけどさ。

彼氏のフリを頼まれたのは……ストーカーっつーか。ちょっと変なヤツに気に入られたみたいでさ……」








松本さんが!?



そういえば今日、松本さんの手に包帯が巻かれてたのを思いだした。



あれって…それ絡みなのかな。



「松本さん、大丈夫なの?そんなに何度もかけてくるって……」



「うーん……」



伊織はなんだか歯切れの悪い返事をかえしてくる。