幼なじみと付き合った場合。

「……彩花は?」



不意に伊織があたしから唇を離し、そんなことを聞いてきた。



好き……だけど、言うのが恥ずかしい……。



照れて顔を少しずらして目を逸らすと、逃げられないように頭を抱えこまれた。



「……俺のこと、どう思ってる?」



聞かなくても…わかってるくせに。



じゃなきゃ、こんなに長いキス…しないってば……。









「あた……あたし……」



あたしも、って言おうとしたとき、伊織のケータイが鳴った。



それでも伊織はあたしから目を逸らさない。



ずっと鳴り続けるケータイに、あたしの方がしびれを切らした。