「お前さー…なんで先に帰ってんの?」



え…。



なに言われるかと思ったら、いきなりそれ!?



「別に…約束してなかったし」



プイと顔を背けると、伊織があたしに顔を寄せてくる。



うわっ、近い!!







思わず後ろに下がろうとしたら、背中に腕を添えられ身動きできない状態になった。



「俺が迎えに行くまで、教室で待ってろよ。そんなの言わなくてもわかるだろ?」



「いっ……言われなきゃ、わかんないし……」



どーでもいーけど、顔が近いからーっ!!



なんでこんな近くで喋る必要があるの!?



あたしの心臓、もたないよっ。