自分の部屋でボーッとしてると、部屋の扉がコンコンとノックされる音が聞こえてきた。



「はーい」



「俺」



うっ……。



伊織だし。








いつもは勝手に入ってくるくせに、今日に限って入ってこない。



昼休み、逃げるようにして立ちさったから遠慮してる?



伊織にしてはしおらしい態度が、逆に怖い。



もしかして、怒ってる?



……考えててもわかんないし、とりあえず部屋の扉を開けた。



扉の外に、伊織が笑顔で立ってる。



……なんだ、笑ってるし。



心配して、損した……。