それは……


あたしにも長年隠してきた気持ちだから、言えなかったんだと思う。


そうは思うけど、朝野くんと伊織がどんな話したのか、よく知らないし、変なこと言えないよね……。


「ほら……伊織って、意地っ張りだから……」


「……フフッ」


え、朝野くん……、


今……笑った?


ってか、このタイミングでなにかおかしかった!?


あたしが目を丸くしてると、


朝野くんはふたつ目のケーキに、ブス!っとフォークを突きさした。






「なんかさ~、闘争心煽られた!実は、競争すんの大好きなんだよねー。

こーなったら、赤松くんと争ってみよーかな」


……え。


なんですか!?


あたしの目の前にいるのって……


朝野くんだよね!?