幼なじみと付き合った場合。

伊織が部屋の扉を開けたタイミングで、お父さんが顔を覗かせた。


「おっ、伊織!元気になったか?」



「なんとかね……今、彩花に一番効く薬もらったとこ」


なんて言いながら、あたしの方を見る。


ばっ……バカ!


なんでそーいう言い方するの!?


さっきのキスを思いだしたら、耳まで真っ赤になりそーだったから、


あたしは顔ごと布団に突っ込んだ。





――ボフッ!



「……なにやってんだ、彩花!?」


お父さんのあきれた声が聞こえてくるけど、あたしは布団に口をつけたまま、無理やりしゃべった。


「なんでもなーい!早くアッチ行ってよ」