結局、伊織に駅まで自転車に乗せてもらって、一緒にホームで朝野くんの乗ってくる電車を待つ。


「なに、その格好。女を意識してんの?」


伊織があたしを上から下まで舐め回すように見てくる。


「は?ヨケーなお世話……」


いつもショーパンばっかだから、今日はミニスカートにした。


「……かわいい」


……え?


伊織声が小さかったから、聞き間違いかもしれない。


うん……多分、そう。


聞き返すのはやめとこ……。


あたしはそのままスルーすることにした。


そしたら伊織は、なにもなかったかのようにもう話しかけてこなくなった。


……なんなの?