「そーいうねちっこいヤツが、そう簡単に諦めると思うか?」



「わかんない……あたし、その人としか付き合ったことがなくて……そんなんじゃダメなの?」



さっきまで気丈に話していた松本の目が、再び潤み始める。



……保健室でもそうだったけど、これって演技じゃなかったんだな。



俺……ヒドいことしたな。




「……よし、俺に任せろよ」



「え……ホントに……いいの?」



「いーよ。今日、一緒に帰ろうか……」



「ありがとう!!」



松本が俺の腕にしがみついてきて、ギュッとされる。



生意気そうな女だけど……やっぱ、女の子なんだな。



ストーカーとか……マジで怖かったろうな。