幼なじみと付き合った場合。

「上月にも聞いてみてっ。ホントに、周りが見てもそうだったらしいし…。

付き合う前と、後で全然変わらなかった。友達の延長……最初はそれなりにドキドキしたりしたけど…

それって、ただ最初だけ…異性として意識してただけで…なんだろう…やっぱ、なにか違ったっていうか」



「なにか違う…?」



「うん…ただ、一緒にいる時間が長かったから……大切な気持ちをちょっと履き違えたっていうかさ。

付き合わずに、友達のままでいれば…今も友達でいれたのかなって思うし」



「えっ、今は友達じゃないの?」



「そうだな……さすがに、また友達に戻る…とか、俺はできなかったな。

そのうち彼女の方も、水泳教室辞めちゃて…もう、それっきり」



「会って…ない?」



「うん。ま…別に俺のこんな話、どーでもいいんだけど。

だから……今度付き合うなら、目が合うだけでドキドキして…本気で大切にしたいって思えるような子がいい……って、思った……んだけど、さ。

アハハハ…俺、なに言ってんだろ」



朝野くんは耳まで真っ赤になってて、それはもう全身から湯気が出てそうなほど赤くなってる。