幼なじみと付き合った場合。

けど俯いてるから、その表情は近くで見ているあたしにしかわからない。








「別にお前と付き合ってるわけでもなんでもねーし、そう言われても困るんだけど。

つか、こんなことしてケガしたらどーすんだよ、松本に謝れ」



伊織は舞川さんの服を乱暴に掴み、コッチに引っ張ってこようとしてる。



「イヤっ!!なんであたしが謝んなきゃなんないのよ。松本さんがあたしに謝んなさいよっ」



…あーあ、もうぐちゃぐちゃ。



泣きまくって舞川さんのアイラインは目の周りで黒く滲み、髪を振り乱して激しく松本さんを罵倒してる。



当の松本さんは、ゆっくりと顔を上げると、細くて長い指をスッと伸ばしてみせた。