俺がずっと黙ってると、松本が人差し指をそっと自分の小さな唇に当てる。



「あたし…秘密は守るよ。誰にも言わないから。あ~、信用してないでしょ。ヒドいなぁ」



そんなの当たり前だろ~が。



今日初めて会ったヤツのこと、どうやって信じろっつーんだよ。



困った…マジで困ったぞ。











「協力するって言ってるじゃない。越野さんとは仲良くなれそうな気がするし、あたしがウマく誘導してあげる」



そんな自信満々に言われてもな?



俺が15年かかっても、少しも動かすことのできなかった彩花の気持ちを…



コイツがどうやって変えるんだよ。