幼なじみと付き合った場合。

「消毒だけでもしてやろっか。ガーゼとピンセットがたしかこっちにあったはず……」


俺が棚の方に移動するのを見て、彩花が慌てて顔をあげた。



「教室に戻ってていーよ。もうチャイム鳴っちゃう……」



そのとき。



――キーンコーンカーンコーン。



と、朝のチャイムが鳴るのが聞こえてきた。








「もう鳴った。出席取るだけだし、遅れても別にいいって」



「伊織、皆勤賞目指すって言ってたよね。頑張ったら学校からなにかもらえるんじゃなかったっけ?」


そんなの、どーでもいーし。


彩花がこんな無言で痛がってんのに、置いていけるかよ…。


「別にいいって…なんなら、お前が俺になんかちょーだい」


「えっ、あたしが!?」