幼なじみと付き合った場合。

「伊織…やっぱり……」



「おっ!上月!こんなとこで会うなんて~」



…えっ?



伊織は、あたしの言葉をかき消すように大きな声で叫ぶ。



しかも、上月くんが正面から歩いて来てる?



あたしはコートの隙間から、そっと顔を覗かせた。









「ちーす。伊織…お前、それなんの遊び?」



シレーッとした冷たい声が聞こえてくる。



最近の上月くんは、あたしに会っても素でいることが多い。



だから今も、誰に気を遣うでもなく、伊織との普通のやり取りみたいで。