なんだか、そのしぐさがかわいく思えてきて、あたしはちょっと吹きだした。



「…笑ってんじゃねーよ。あーあ、彩花に弄ばれた…」



「弄ぶって…なにそれ!伊織が勝手に…」



「もぉ、いーわ。帰ってケーキ食おーぜ」



伊織はあたしから手を離すと、頭の後ろで手を組んでる。



さっきまで繋いでた手も、



もう繋がれることはなくて。









しばらくそのまま歩きながら、家に向かう。



…手が冷えてきたな。


気がつけば、雪がチラチラと降りだしてきた。