「てことで……そろそろ行こうか」




伊織がぎこちなく、あたしの肩を抱く。




「て……ことで……って?」




伊織の仰々しさに、一瞬にして固まるあたし。




「約束したろ?今日の夜は、ふたりっきりで過ごすって……」












う……わ。




した……かも。




確かにそんな約束、した気がする。




だけど、半分冗談だって思ってたし。




付き合っても、キス以上のことをしてこなかった伊織に、




あたしはすっかり安心しきっていたみたい……。