嫌……。


瞬時に嫌悪感が体中に、かけめぐる。


あたしは身をすくませると、朝野くんから顔を背けた。



「彩花、どうしたの?俺のこと、信じられない?」



「ねぇ、どうして買い直したの?あのとき……」


そこであたしはハッとする。









「あのとき…ジャージの袖のゴムがもう伸びきってたから?

だから…買い直したの?」



「そうだよ。よく上まで腕まくりしてたから」



伊織はいつも、二の腕まで長袖をまくったりして着てることが多い。


昨日伊織の家で見たジャージの袖は、フニャッとしていて。


きっと、あのときもそうだったんだと思う。



「それだけ…?」


「それだけ…って。あとは…そうだな。破れたりしてたかも」



「どこが?」