「あっ……そうだ。松本さんに一言言ってから行くね」




あたしはなんだか対応に困って、急いで教室の中に移動した。




松本さんは今日もまたお化け役をやるんだって。




この役に、結構ハマったみたい…。














「松本さん、あたしもう行くね」



「はーい。あたし、お昼からフリーだから、また……5組に……行こう……よ」



昨日と同じグロテスクなメイクのまま、松本さんがポツリポツリと呟きながらニヤリと笑う。



「こっ、怖いよ。普通に喋ろうよ」



「越野さんが悪いんでしょぉ~。あたしは……あたしは……伊織くんとまた話したい……だけなのに。お~の~れ~」



あたしに詰めよってくる松本さん、マジで怖いからっ!!!



「とっ、とにかく!あとで連絡してね」



「は~い!」



あたしはまた急いで教室の外へと移動する。