「伊織が……教えてよ……」




「お前はさー…俺より朝野を選んだんだろ?」




「それは……」




彩花は足元に視線を落とし、黙りこんでしまった。









いつの間にか嵐は過ぎさっていて、電気もついて元どおりになる。



2階からダチの騒がしい声が聞こえてきてるけど、今のところコッチに来る様子はなさそうだ。



さて……



ずっとこうしてるわけにもいかないしな。




俺は彩花を見て、ニッコリと微笑む。




俺の表情を見て、それでもまだ希望を捨てきれないといったような彩花の顔に、



一瞬胸がギュッと苦しくなる。




俺だって、今すぐ彩花を取りもどしたいけど……




だけど、朝野とのことは……お前が自分で、ちゃんとケリをつけてくれ。




そうでないと……




また、同じことを繰り返すはずだから。