幼なじみと付き合った場合。

「ねぇ、さっきのって…」


松本さんが、校舎の向こうに視線をやる。


「え?なに?」


「赤松くん…じゃなかった?もしかして…」


松本さんがなにを言いたいのか、わかる。


あたしと付き合ってるのかって、言いたいんだよね…。


だから聞かれる前に、あたしは大げさに首を横に振った。






「違うの、違うの!あれはね、あたしのお隣さんで…なんにもないんだよ」


「そうなんだ!?もしかして、赤松くんと幼なじみなの?」


「ま~…世間では、そういうのかなぁ」


あたしは伊織とは、なんでもないって風を表に出す。