「女？……んー、どう思う？」



探るような聞き方をして、曖昧な返事をしている。




「どう思うって、そーいう聞き方するってことは…いんだろ？伊織、ハッキリしろって！！」




中の誰かが伊織にしがみついたのか、伊織の叫び声が聞こえる。




「うわっ、寄ってくんな！！」




「さっさと白状しろよ！で、その女の友達を、俺に紹介しろ！」




「ハハッ、ムリムリ。だって俺まだ彼女いないし～」




そういう伊織の声を聞いて、心のどこかでホッとしているあたし。




今までずっと彼女を作らなかった伊織に、彼女ができたときのことなんて……考えたこともない。




それだけに、あたしはかなりドキドキしていた。










「だけどさー……最近、好きな女ができた」