「俺がもらったんだから、どーしようが勝手だろ。

それに、いらねぇっつって断ったのに……」




「そこをなんとかして渡したいのが女心だろ?1回ぐらい、連絡してやれよ。

確か、中に姫百合女子の子もいたよな!?あんなお嬢様と知り合う機会なんてめったに……ぐえっ」




ひとりが喋ってる途中で、声が悲鳴に変わる。




きっと、伊織がなにかしたんだと思う。




姫百合女子っていうのは、となりの駅前にあるお嬢様学校。




ウチの文化祭は、他校生も自由に入れるからね。




だから、姫百合の子も来てたんだぁ。




最初から伊織目当てだったり?











「いらねーの。今日のは、別に出会い目的でやったわけじゃねぇし?」



「だよなー……伊織、最近すげぇ楽しそーだもんな。

もしかして……女、できた?」




ドキッ。



また、あたしの知らない伊織の新情報。




あたしはジッとしたまま、伊織たちの会話に集中する。