「だけど伊織、よく頑張ったじゃん。ホストクラブなんか絶対嫌だ!!って言ってたヤツがよ~」



他の男の子の声が聞こえて、あたしはちょっと意外だなって思ってしまう。




伊織が率先してやってたと思ってたけど、違うんだ!?




「将来ホストになってっかもしんねぇし。何事も経験?勉強、勉強」




「お前が言うと冗談に聞こえねぇ~。マジでなれそぉ」




そこでみんなで爆笑してる。




伊織がホスト?




ムリでしょ……だって、短絡的思考だし、気遣えるタイプじゃないし……。




なんて、同じテーブルにいないのに、つい会話に入ってしまう。









「お前さー、めちゃくちゃ連絡先もらってなかった?どーすんの、アレ」



「捨てた」



伊織の声が聞こえた途端、周りが一斉に大声をあげる。



「えーーーーーーっ!!マジか!!捨てる前に俺に相談しろよ!!もったいねぇ!!」