「ゲーム……」




「そう……こんなの、ただのゲームなんだって。誰とでも……できる」




伊織がそう言ったとき、




なんだかあたしの胸の奥が、ギュッと痛くなった。




どうして……




どうしてあたしも、いちいち反応してるの?




伊織がチャラいのなんて知ってたし、ずっとそうだった。




あたしはなにを、今さら……。










「俺の中では……もう、お前は特別じゃなくなったから」




わかってたことなのに、胸がズキズキと痛くなる。




あたしは……




ずっと、伊織の特別でいたかったの?




彼女っていう枠組みじゃなくても……




“幼なじみ”っていう、特別感の中に浸っていたかったんだ。