あたしは自分から動かずに、ジッとしている。




そしたらたまりかねた伊織の方から、ポッキーをカリカリとかじり始めた。




「待ってろよ?すぐそっちまで行くから」




甘い笑みでそんなこと言われると……




なんだか冗談じゃないような気がしてくる。




あたし……もしかして、ハメられた!?












「伊織っ……フざけてるでしょ」



ポッキーを落とさないように小声でそう言うと、



いたってマジメな顔で受け応えしてくる。



「フざけてねーよ。ゲームはまだ続いてんの。黙って食え」



なんて言ってきた。