ジッと伊織を見ていたあたしは、一瞬で引きつった顔になってたと思う。




だけど伊織は……そのままあたしから視線を外した。




あれ……無視ですかいっ!?



なんだか拍子抜けしちゃう。










あたしたちはなにも注文してなかったんだけど、勝手にアイスティーが運ばれてきた。



「アイスティーしかないんで、どーぞ」




男の子があたしたちの前にグラスを置いていく。




「あたし、ホットのミルクティーがいいな~」



松本さんが伊織の肩にしなだれかかる。



そしたら伊織は避けることもせず、フッと笑って松本さんの前に置いてあるストローを手に取ってグラスに差した。



「俺が飲ませてやるから、我慢して?」



いっ……なに言っちゃってんの!?