「おっ……お前か」



伊織は松本さんの顔を見るなり、引きつった笑顔を見せる。




あたしの方には、目もくれない。




今日の伊織は、さっき兵藤君が着てたのと同じような格好をしている。




髪型だって、アイロンしまくったのかやたらとピンピンとした前髪になってる。




ウィッグなのかなんなのか、所々金色のメッシュも入っていて。




……なんなの、このチャラ男。



いつもの数倍も……チャラさが増してるし。













「指名料2倍なんだから、2倍サービスしてくれなきゃヤダ」




そう言って、松本さんは伊織の腕にしがみついてる。




「はぁ!?」



呆れた声を出したあと、チラリとあたしの方を見た。




!!!!