さっき松本さんの隣の席を立った男の子が、しばらくして戻ってきた。



「ゴメ~ン。伊織、順番待ち」




う…わ、そーなんだ!?



相変わらず、人気者だよね……。




「えーっ!指名料上乗せするから、早くココに連れてきて!?ねぇ、お願ぁい」



松本さんがいつもより甘い声を出して、かわいく首を傾げれば……。




「……おう、ちょっと待ってて。その代わり、俺がヘルプで入ってもいい?」




「どーぞ、どーぞ」




「おしっ!!」




松本さんがタイプだったのか、男の子はまたどこかへと消えていく。











「やった~、すぐに会えるよ。伊織くん、カッコいいんだろうなぁ~~~…」



松本さんの目は、完全にトロンとしてる。



あたしは……緊張で、手に汗がにじんできた。



う……わ、あたし動揺してる!?